こんにちは、アロマライフデザイナーの小田ゆき(@aroma_lifestyle)です。
ハーブはハーブティーだけでなく、ハーバルバスや手作りコスメ、クラフトなど幅広く利用できますが、今回はハーブの活用法のなかでも、最も有効成分を活かすことができる「ハーブチンキ(ハーブティンクチャー)」についてご紹介します。
そもそも、チンキ(ティンクチャー)ってなに?
チンキとは、ハーブをアルコールにつけて有効成分を抽出したエキスのこと。
チンキ剤のほか、ティンクチャー(tincture)とも呼ばれています。
そんなチンキの一番の特徴は、ハーブの水溶性成分と脂溶性成分の両方を取り出せること。
ハーブティーの場合は、ハーブをお湯に浸したものなので、水に溶ける「水溶性成分」だけしか得られませんが、チンキ作りに用いるアルコールには、水に溶ける「水溶性成分」も、水に溶けにくい「脂溶性成分」も溶け出すため、チンキではハーブティーよりも多彩な成分を取り出すことができるんです。
さらに、アルコールを使うので長期保存(約1年)ができるのも、チンキならではの魅力です。
私もハーバルセラピストの資格を取るためにスクールに通っていたときに初めて知ったのですが、フランスやイギリスでは薬局などでハーブチンキを手にいれることができ、昔から家庭の万能薬として身近な存在だそう♪
チンキはどうやって作るの?きほんの材料、作り方をご紹介
そんなハーブの恵みを効率よくいただけるチンキですが、作り方もとってもシンプルです!
材料は、ハーブとアルコールのたった2つ。
それでは、詳しいレシピをご紹介します^^
チンキづくりに必要なもの
●お好みのハーブ
ハーブと言ってもその品質はさまざま。チンキは主に飲用に使いますので、良質な食用のハーブを選びましょう。
「生活の木」や「エンハーブ」などの専門店では少量から購入できます。
●ウォッカ
チンキは使うアルコールの度数によって、抽出される成分や割合が異なりますが、初心者の方は「ウォッカ」がおすすめです。
無味無臭のノンフレーバーで、アルコール度数が40度前後のものを選びましょう。また、ウォッカの代用としてホワイトリカー(35度)もチンキ作りに使用できます。
●その他、用具類
さっそくチンキを作ってみよう!
基本のレシピ
- お好みのドライハーブ … 10g
- ウォッカ … 100ml
*ハーブ1:ウォッカ10の配合
作り方
[1] 熱湯消毒したガラス容器にドライハーブを入れて、ハーブが完全につかるようにウォッカを注ぐ。(*ハーブ10gならウォッカ100ml)
[2] 容器の蓋をしめて、冷暗所に2週間置く。
*その間、成分が抽出されやすいよう、1日1回容器を振って、ハーブとアルコールをなじませるようにする。
[3] 2週間たったら茶こし、もしくはコーヒーフィルターを使ってハーブをこして、保存用容器に移したら完成。
*保存期間は冷暗所で約1年
▽つけ込んだ直後からほんのりとハーブの色素が。
▽翌日になると濃い色に変化。どんどんハーブの成分がアルコールに溶け出しています。
▽このようなスポイト瓶に保存すると、使いやすいですよ♪ Amazonなどで入手できます。
暮らしに役立つ!チンキの使い方
チンキは内用、外用両方に使え、暮らしのさまざまなシーンで活用できるのが魅力です。
お気に入りの使い方を見つけてみましょう♪
飲み物に加える
チンキのもっともポピュラーな使い方は「飲用」です。チンキを1〜2ml(10〜20滴)を、100mlの水やお湯に薄めて飲みます。
アルコールを使っているため体内への吸収が早く、体を温める働きもあります。
※チンキにはアルコールを含むため、子供、妊娠中の方、アルコールに弱い方は、熱湯でアルコール分を飛ばしてから飲みましょう。
(カップにいれた熱湯にチンキを加え、そのまま湯気が出なくなるまで置くと、おおよそのアルコール分は飛んでいます)
うがいに
抗菌力の強いハーブ(タイムやセージなど)で作ったチンキは、うがいに用いるのもおすすめです。
水にチンキを数滴垂らしてうがいを行うと、喉がすっきり。口臭予防にも役立ちます。
入浴剤としてお風呂で楽しむ
お風呂にチンキを入れると、手軽に薬草風呂を楽しむことができます。
湯船ににチンキを適量(大さじ2程度)入れて、よくかき混ぜてから入浴します。
心地よい香りが漂い、心も体もほぐれます。 肌当たりが柔らかくなって、肌もスベスベに。
手作りローションに
チンキを精製水で約10倍に薄めると、スキンケアやボディケアに使えます。
お好みでグリセリンなどの保湿成分を加えれば、美容効果もさらにアップ。
<チンキの化粧水の作り方>
- 清潔なスプレー容器にチンキ5ml(肌の弱い方はチンキの割合を減らす)、精製水50ml加える。
お好みで保湿剤(グリセリンなど、全体量の1~5%)を加えても◎ - ふたをしめてよく混ざったら完成。冷蔵庫で保管し、1週間を目安に使い切る。
チンキづくりにおすすめのハーブ
チンキはどのようなハーブでも使えます。お悩みに合わせて選んでみましょう。1種類だけでなく、数種類をブレンドしてもOKです(例:女性のお悩みに、ジャーマンカモミール&ローズ)。
・ジャーマンカモミール
冷え性や生理痛など婦人科系の症状に用いられるハーブ。心身をリラックスする効果もすぐれています。
・エキナセア
免疫力を高めるハーブとしてよく知られているほか、ウイルスへの効果もあるとされているので、風邪やインフルエンザの予防に効果的。内服がおすすめです。
※自己免疫疾患などの進行性疾患の人、キク科アレルギーの人は禁忌。
・タイム
強力な抗菌パワーをもつハーブ。風邪予防や喉の痛みに。ハーブティーに加えたり、うがいに利用してみましょう。
・ローズ
収れん作用があり、ローズの優雅な香りとともに体の内側から美しさをサポートしてくれます。飲用や入浴剤、ローションに活用するのが◎
・ローズマリー
強い抗酸化作用があり、古くから若返りのハーブとして人気。飲用にも外用にも、万能に使えます。
おわりに
さて、今回はハーブの有効成分がたっぷり詰まった「ハーブチンキ」についてご紹介しました。
チンキはハーブの水溶性成分、脂溶性成分両方を取り入れることができ、いつものお茶に数滴入れたり、うがいに使ったり、薄めて化粧水に使うなどあらゆることに活用できます。
簡単に作ることができるうえ、約1年と長期保存できるので、家庭に常備してみてはいかがでしょうか♪