こんにちは!アロマライフデザイナーの小田ゆき(@aroma_lifestyle)です。
2014年にアロマテラピーが認知症の予防・改善に効果があるとテレビ番組で取り上げられ、紹介されたアロマオイル(精油)がしばらく売り切れになるほど大きな関心を集めました。
そして、ここ最近またテレビで紹介され再注目されています。
今回は改めて 認知症とアロマテラピーの効果についてご紹介したいと思います。
認知症は薬では治らない
認知症は、なんらかの原因により脳の神経細胞に障害が起き、記憶をつかさどる海馬という部分が障害されることで起こるといわれています。
厚生労働省の発表によれば、65歳以上の約4人に1人が認知症とその予備軍とも言われていて、認知症患者数は年々増加傾向。
薬物治療ができるようになってきているものの、認知症は根本的に治すことは難しく、未だに効果的な治療法が確立していないのが現状のようです。
そこで注目されているのが香りで脳を刺激するアロマテラピー。非薬物療法により薬物療法を補って治療効果を高めると期待されています。
認知症にアロマテラピーが効果的な理由とは?
認知症はこれまで脳の海馬がダメージを受け、もの忘れから始まるとされてきましたが、実はそれよりも前に“におい”がわからなくなる嗅覚障害が起こることが近年の研究でわかってきました。
においを感知する神経と海馬は密接に連携しているため、アロマの香りで嗅覚を刺激すれば海馬も活性化し、その結果認知症の予防や認知機能の改善につながると考えられています。
認知症に効果的なアロマオイル(精油)
認知症とアロマテラピーの効果を研究し、認知症予防の第一人者でもある浦上克哉教授の研究によると、いろいろな香りを試した結果、最も効果があったのがローズマリーの香り。
ローズマリーにはいくつか種類があるのですが、その中でも「ローズマリー・カンファー」といわれる種類が最も認知症予防・改善に効果的といわれています。
さらに、「ローズマリー・カンファー」に「レモン」を配合した香りが最も神経細胞を活性化させることが研究で明らかになっています。
認知症予防に効果的なアロマの使い方
認知症予防にはこれらの脳を活性化する香りを使うのがよいのですが、さらに重要なのが、昼と夜で別の香りを嗅ぐこと。たったこれだけで効果をグンと高めることができるそうです。
浦上教授が推奨されている昼用、夜用の香りのレシピは以下の通りです。
昼用:神経細胞を活性化
・ローズマリー・カンファーとレモン2:1の配合
・午前中に2時間以上嗅ぐ
→交感神経を刺激して体を活動モードに。集中力を高め、記憶力を強化する。
夜用:疲れた神経細胞を休ませる
・真正ラベンダーとスイートオレンジ2:1の配合
・寝る1時間前から2時間以上嗅ぐ
→副交感神経を優位にして体を休息モードに。不眠改善や、不安軽減を促す。
最近ではアロマ専門店やネット通販でこの配合比率で作られたアロマオイルが手に入ります。
おすすめの活用法
アロマテラピーはさまざまな方法で活用できるのが魅力ですが、ここでは特に初心者の方におすすめの活用法をご紹介します。
アロマディフューザーでお部屋に拡散
最も効果的な方法はアロマディフューザーと呼ばれる専用の芳香器を使う方法です。
芳香器にはさまざまな種類がありますが、私のおすすめはアロマオイル(精油)だけを微粒子にして拡散させるタイプのディフューザー。
無印良品などで見かけるミストタイプのディフューザーよりも値段はややお高めですが、水の交換やオイルの補充などの面倒なメンテナンスが不要なのが◎。アロマオイルを入れてスイッチをONにするだけでとても簡単に使うことができます。
自分のまわりにだけ香らせたいときはティッシュに
専用の道具がなくても、ティッシュやコットンにアロマオイルを2,3滴たらして自分の近くに置いておくだけでもOKです。
自然に気化する穏やかな香りを楽しめます。香りがしなくなったら、オイルを足しましょう。
外出が多い人にはアロマペンダントが便利
普段仕事であまり家にいない方や外出が多い方にはアロマペンダントがおすすめです。
アロマペンダントはアロマネックレスとも言われ、体温で温められた香りが胸元からふわっと広がります。首から下げておくだけでよいので、いつでもどこでもアロマの香りを嗅ぐことができるのが特徴です。
小さなガラス瓶に精油を入れて使うタイプと、アロマオイルを染み込ませたコットンをセットして使うロケットペンダントタイプがあるので、お好みで選んでみてください。
最近ではおしゃれなデザインのものも増えてきています。
注意したいこと
・アロマオイルは100%天然由来の精油(エッセンシャルオイル)と呼ばれるものを使うようにしましょう。
・アロマオイルを鼻に近づけすぎると頭痛などが起きることもあるので注意してください。(香りの刺激が嗅神経だけでなく痛みの神経にも作用するため)
・精油には注意事項や禁忌がありますので、持病がある方や薬を服用している人は医師に相談の上行ってください。
精油の注意事項
ローズマリー・カンファー:妊娠中、授乳中、てんかんの人、乳幼児への使用を避ける。
レモン:光毒性があるため、肌に使用後は紫外線を避ける。
おわりに
今回は認知症の予防や改善に効果的なアロマについてご紹介しました。
昼と夜で香りを使い分けることで、神経細胞の“活性化”と“鎮静化”の両方を行っていくのがポイントです。
- 昼: ローズマリー・カンファーとレモン2:1の配合を午前中に2時間以上嗅ぐ
- 夜: 真正ラベンダーとスイートオレンジ2:1の配合を寝る前1時間から2時間以上嗅ぐ
アロマテラピーは薬物療法と異なり、重篤な副作用の心配がないため、誰もが手軽に取り入れらるのが魅力。心地よい香りで不快感なく継続することができます。
認知症は65歳を過ぎると発症しやすくなると言われていますが、実際には発症する10〜20年ほど前から脳の中では変化が始まっているそうです。
40代、50代の方でも予防効果は期待できますので、毎日の生活に今回ご紹介した香りを取り入れてみてはいかがでしょうか。
認知症とアロマテラピーの効果についてもっと詳しく知りたいという方は、浦上先生のこちらの本が参考になります。