古くから蚊帳に編みこまれたり、蚊よけとして活用されてきたレモングラスやシトロネラ。これらの植物から抽出される精油に、蚊の忌避作用があることが実験で確かめられた。
公益社団法人 日本アロマ環境協会(略称:AEAJ)は、レモングラスとシトロネラの各精油に、蚊に対する忌避作用があるかを確認するため、濃度を変えて実験を実施。
レモングラス精油とシトロネラ精油を10%以上の濃度で皮膚に塗布し、5分後の忌避作用を計測したところ、90%以上の忌避作用があることが実験結果として確認された。
なお、AEAJでは、肌に直接塗布する場合の濃度を1%以下と推奨。レモングラス精油やシトロネラ精油を高濃度で皮膚に付けると刺激となる場合があるため、使用量や濃度には注意が必要。
【実験概要】
●対象:30代~70代の男性3名
●精油:レモングラス精油、シトロネラ精油
●測定方法:各精油を無水エタノールに希釈して、1%、10%、20%の溶液を作り、被験者の前腕 (72㎠)に塗布(0.12ml)。塗布した部分に蚊(ヒトスジシマ蚊)を放した円筒のガラスリング(直径4cm、高さ12.5cm)を当て、5分後の蚊の吸血率を測定。
●評価項目:無水エタノールのみ(精油無添加)を同量で塗布した場合の吸血率と比較し、蚊の忌避率(%)を求めた。
【実験結果】
レモングラス精油とシトロネラ精油ともに10%以上の濃度で皮膚に付けた場合に、蚊の忌避作用があることを確認。
<5分後の蚊の忌避率*(%)> *忌避率=(1-精油塗布時の吸血率/無水エタノールのみの吸血率)×100
濃度1% | 濃度1% | 濃度10% | 濃度20% |
---|---|---|---|
レモングラス精油 | 40 | 100 | 100 |
シトロネラ精油 | 0 | 100 | 100 |
※蚊の忌避率は、無水エタノールのみを塗布した場合と比較して、どれだけの忌避作用があったかを示している。
※30分後の忌避率は、レモングラス精油で24.4%~95.5%、シトロネラ精油で12%~58%だった。