お風呂にポンっと入れると、シュワシュワ泡を立てながら溶けていくバスボム。見ているだけで楽しく、ふんわり広がるやさしい香りにも癒されますよね。
市販品でもいろいろな種類のバスボムが売られていますが、実は身近な材料で手作りすることができるんです。
自分好みの香りやハーブで、見た目にも可愛らしいバスボムを作ってみませんか?
今回はバスボムの基本的な作り方をはじめ、材料選びのポイントや作り方のコツを丁寧に解説します。
小田 ゆき
アロマとメディカルハーブのスペシャリスト
アロマ専門メディア『AROMA LIFESTYLE』主宰。YouTubeでもアロマ情報を発信し、チャンネル登録者は3万人を超える。セミナー講師、コラム監修、メディア出演などで幅広く活動中。自身の経験を踏まえた、わかりやすく丁寧なレッスンに定評がある。プライベートでは1児の母。詳細プロフィールはこちら
バスボムを手作りするために必要なものは?
バスボムを手作りするために必要な材料は、
- 重曹
- クエン酸
- 片栗粉 or コーンスターチ
- お好みの精油(アロマオイル)
- 無水エタノール or 水
- バスボムを固める型
の6つです。
それぞれ順番に詳しくご紹介します。
①重曹&②クエン酸
バスボムの主要な成分で、重曹とクエン酸と反応して発泡作用を引き起こします。どちらも掃除用グレードがよく用いられますが、バスボムは肌に触れるものなので、純度が高く安全性が確保されている「食品添加物」グレードを選ぶのがおすすめです。
③片栗粉 or コーンスターチ
重曹とクエン酸の反応を遅らせ、バスボムの形状を安定させるために使います。また、結合剤(つなぎ)のような役割を果たし、バスボムが崩れにくくなります。
バスボムの製造過程で湿気や水が加わると、重曹とクエン酸が早いタイミングで反応してしまうリスクがあります。片栗粉もしくはコーンスターチを加えることで、この反応を遅らせる効果が期待できます。
④お好みの精油(アロマオイル)
バスボムの香り付けに使います。肌に触れるものなので、必ず高品質のものを使用しましょう。今回は天然の香りにこだわりたいので、「精油(エッセンシャルオイル)」を使います。(▶︎おすすめのアロマブランドはこちら)
精油は高濃度の香りエッセンスのため、使用量に気をつけること。そして柑橘系やスパイス系の精油は肌を刺激することがあるので、小さな子供や敏感肌、アレルギー体質の方は使用を控えましょう。
⑤無水エタノール or 水
重曹・クエン酸・片栗粉はいずれもさらさらとした粉末なので、これだけでは固めることができません。そこで、無水エタノールや水を加えて材料を湿らせ、バスボムを固形にまとめるために使用します。あらかじめスプレー容器に入れておきましょう。
※無水エタノールは引火性があるため、火気に十分注意してください。
バスボムづくりは水分が大敵のため、ほぼ水分を含まない無水エタノールが最も作りやすいですが、なければ水道水でも構いません。
⑥バスボムを固める型
バスボムを固める型は専用のシリコンモールドの他に、お菓子の型やプリンカップなどさまざまなものが使えます。取り出しやすいものを選ぶことがポイントです。型がなければ、食品用ラップに包み手で整形することもできます。
シリコンカップはある程度硬さがある方がギュッと押し固めやすいです^^
失敗しない!バスボム作りのコツ
シンプルな材料で作れるバスボムですが、失敗しないためにはその作り方がとても大切です。ここからは、バスボムづくりに取り掛かる前にぜひ知っておきたい作り方のコツやポイントをお伝えします。
① 重曹・クエン酸・片栗粉の配合比率を「2:1:1」に
バスボムの主成分である重曹:クエン酸:片栗粉(orコーンスターチ)の分量は【2:1:1】とするのが作りやすいです。この比率であれば成形しやすく、重曹とクエン酸や効果的に反応して綺麗なバスボムの泡を楽しむことができます。
② 材料を湿らせる水分は控えめに
バスボムを成形する際に無水エタノールもしくは水で材料を湿らせる工程がありますが、水分が多すぎるとその場で発泡してしまうので、無水エタノールもしくは水は少しずつ様子を見ながら水分を加えていくのがポイントです。とくに水道水を使う場合は注意してください。
③ 湿気の少ない環境で作ろう
雨の日や梅雨の時期など湿度が高い日は、バスボムの製作過程で空気中の水分を吸って発泡してしまうことがあります。なるべく湿気の少ない晴れの日に作るのがおすすめです。
さっそくバスボムを作ってみよう!
それではいよいよバスボムを作っていきましょう。今回は作りやすい分量でレシピをご紹介します。
材料のレシピ(手のひらサイズ3個分)
<材料>
- 重曹 … 100g
- クエン酸 … 50g
- 片栗粉 or コーンスターチ … 50g
- お好みの精油 … 5〜15滴 *肌の弱い方は少なめに
- 無水エタノールもしくは水(スプレー容器に入れたもの) … 少々
- ドライハーブ … 適量 *飾り用にお好みで
<用具>
- ボウル
- スプーン
- お好みの型
作り方
[下準備] 型にドライハーブを並べておく。※飾り用にハーブを使う場合。
[1] ボウルに、重曹・クエン酸・片栗粉を入れ、スプーンでよく混ぜ合わせる。
[2] 精油を少しずつ加え、軽く混ぜ合わせる。※一箇所にかたよらないように。
[3] 無水エタノール(もしくは水)をスプレーで少しずつ吹きかけて、その都度よく混ぜ合わせる。
※一度に水分を加えすぎると、重曹とクエン酸が反応して発泡してしまうので要注意。
[4] 少し湿った状態になったら(下の写真のように、手でギュッと握ったときに固まる感じになればOK)、型に入れていく。
[5]スプーンの背でしっかり押しながら詰めていく。紙やラップをのせて、指で押し固めても○
[6] 風通しのよいところで半日~1日乾燥させて、型から取り出したら完成。(湿気の多い夏場や雨の日は冷蔵庫での乾燥がおすすめ)
使い方について
浴槽にバスボムを入れ、よくかき混ぜてから入浴します。
保存について
バスボムは時間がたつにつれて発泡力が弱くなってきます。作ったら密閉容器で保管し、1週間程度で使い切るようにしましょう。乾燥剤(お菓子などに入っているシリカゲルでOK)を一緒に入れて保管すると、より長持ちします。
慣れたら、バスボムのアレンジにも挑戦♪
色付けしてみよう
バスボムの色付けには、食用色素やクレイ、ハーブパウダーなどが使えます。着色力を重視する場合は「食用色素」がおすすめです。少量で色づくので、付属のスプーンで少量ずつ加えて好みの濃さにしましょう。
▼クレイを使う場合は、重曹100gの分量に対し小さじ1/2程度を目安に。入れる量で色の濃さを調整できます。
ハーブで彩りをアップ
ドライハーブをデコレーションするだけで、ぐっと華やかな見た目に。お風呂に入れた時にハーブの穏やかな香りや色も楽しめます。
※お湯を流すときは、ハーブを取り除いてから流してください。(排水溝が詰まる恐れがあります。)
ミックスしているハーブの種類は、上から時計回りに、
・ローズ&ヒース(エリカ)
・マロウ&カレンデュラ(マリーゴールド)
・ピンクローズ&ラベンダー&ローズマリー
こちらのお店でいろいろなハーブを少量ずつ購入できます。
Check!手作り石けん材料と道具のお店 カフェ・ド・サボン
YouTubeでも作り方をご紹介しています
自分好みのバスボムづくりを楽しもう♪
さて、今回はシュワシュワ泡が楽しめるバスボムの作り方をご紹介しました。
ポイントは水の分量。入れすぎると作っている途中で発泡してしまいますので、「スプレーしたら混ぜる」を繰り返して、湿り具合をチェックしながら進めてみてください。ちょっと湿ったかな?というくらいがベストです。
お好みの精油やハーブを使って、世界にひとつだけのバスボムをぜひ作ってみてくださいね。
バスボム作りのQ&A
クエン酸や重曹や掃除用グレードでも構いませんか?
バスボムを手作りする際には、使用する材料成分の品質が重要です。食品添加物グレードと掃除用グレードでは、品質と純度が異なります。具体的には、掃除用グレードには不純物や稀に他の化学物質が混ざっている可能性があり、これが皮膚に刺激を与える可能性があります。
一般的には、食品添加物グレードのクエン酸や重曹は純度が高く、食用としての安全性も確保されているため、スキンケア用品やバスボムに使うにはより適しています。特に皮膚が敏感な人や子供が使用する場合には、食品添加物グレードの成分を使用することをお勧めします。
また、食品添加物グレードの成分は一般的に高価ですが、その分品質が保証されています。自作のバスボムを身近な人にプレゼントする際も、安全性と品質を確保するために食品添加物グレードの成分を使用することが望ましいでしょう。
※どの成分を使用するにせよ、アレルギー反応や皮膚刺激が起こらないかどうかを事前に確認するために、小さな量でパッチテストを行うことをおすすめします。
重曹:クエン酸:片栗粉=2:1:1がおすすめとありますが、その理由は?子供の自由研究に、重曹:クエン酸を1:2にして試しに作ってみたのですが、イマイチ違いが分かりません。
重曹:クエン酸:片栗粉=2:1:1の比率をおすすめする理由は以下の通りです。
◎反応のバランス:重曹とクエン酸の2:1の比率は、バスボムに適した反応の速度と強さを生み出すためのものです。この比率であれば、クエン酸が重曹と効果的に反応し、発泡を引き起こします。
◎固まりやすさと形の維持:片栗粉はバスボムの固まりやすさや形の維持を助けます。特に湿度の高い日や水分調整が難しい場合、片栗粉の存在が安定性を高める役割を果たします。
*片栗粉の量が多いと、バスボムが固まるのがやや難しくなる可能性があるため、重曹と同量とするのが作りやすいです。
◎反応の遅延:片栗粉は重曹とクエン酸の化学反応を遅らせる役割も果たします。これにより、製品作成中の早期反応を防ぐことができます。
◎滑らかな感触:片栗粉は水中でバスボムが溶けたときの感触を滑らかにします。これは、バスボムの使用感をより快適にするためのものです。
重曹:クエン酸を1:2の比率で試された場合、クエン酸の量が多いため、発泡の反応が早くなる可能性があります。また、固まりにくくなることも考えられます。しかし、実際の結果や感じ方は使用されたその他の成分や環境条件にも依存するため、具体的な違いを把握するには、2:1:1の比率でのバスボムも作成して比較すると面白いと思います^^