現役教師が教えるとってもやさしい精油の化学/1時間目:身の回りの物質は何からできているの?

こんにちは!高校で化学を教えている、アロマセラピストの森永香織です。

アロマテラピーを学ぶときに、避けては通れない「精油の化学」。

テキストや本にはたくさんの化学用語や物質名が掲載されていて、苦手意識を持っている方も多いかもしれません。

しかし、化学の基本的な知識があれば、より親しみをもって学ぶことができます。
また、アロマテラピーをより安全に効果的に楽しむ手助けとなります。

そんな「精油の化学」を、一緒に楽しく学んでいきましょう。

1時間目:身の回りの物質は何からできているの?

目には見えないけれど…

アロマテラピーで使うエッセンシャルオイル1滴の中には、たくさんの香り成分が含まれています

そして、その香り成分の正体は・・・すべて「原子」といわれるとても小さな粒からできているのです。

原子は物質のもととなる粒で、その中身はさらに小さな「陽子」、「中性子」、「電子」という3種類の粒からできています。

陽子と中性子は原子の中心にあり、「原子核」とよばれます。電子は原子核のまわりを動いており、化学結合に大きく関わります。

精油の化学 原子の構造

原子をつくる3種類の粒は、それぞれ次のような特徴があります。

陽子
原子の種類を決めるとても重要な粒
正(+)の電気をおびている

中性子
電気はおびていない粒

電子
負(-)の電気をおびている粒
陽子の数と同じだけ存在する

つまり、すべての物質は小さな小さな「粒」がたくさん集まってできているのです。

たらこや辛子明太子を想像してみてください。すべての物質を高性能の電子顕微鏡で見ると、あのような感じの、粒がたくさん集まったイメージなのです。

原子と元素は同じもの?

原子と似たような言葉に、「元素」があります。

この2つは厳密には異なりますが、特に区別されずに用いられることもあります。あまり難しく考える必要はありませんので、ここでは、

  • 原子とは物質を構成する「粒」のこと
  • 元素とは陽子の数が同じ原子をまとめたもので、「原子の種類」のこと

と、ざっくり理解しておけば大丈夫です!

原子
陽子、中性子、電子からなる粒のこと
現在までに250種類以上あることがわかっている

元素
原子の種類を陽子の数で分類したもの
陽子の数が同じなら、同じ元素とする
現在までに118種類がみつかっている

精油の化学 原子と元素

水兵リーベ僕の船…

化学の勉強といえば、この語呂合わせ「水兵リーベ僕の船…」を思い出す方もいると思います。実は、これは元素を「陽子の数」の順に並べた覚え方です。

陽子の数は元素を決める重要な数なので、「原子番号」といいます。元素の世界の出席番号のようなものです。

ちょっとおさらいしておきましょう。特に、水素(H)、炭素(C)、酸素(0)の3つの元素は「精油の化学」を学ぶ上でとても出番が多い元素なので、必ず覚えておいてください。

精油の化学 元素表

原子どうしが集まると…

複数の原子が集まったものを「分子」といいます。分子は色やにおいなど、化学的性質をもつ物質の最小単位です。

精油の化学 原子と分子

香り成分は、植物が光合成によって作り出した「有機化合物」です。

有機化合物とは炭素(C)を中心とした化合物のことで、おもに炭素(C)、水素(H)、酸素(O)の組み合わせでできています。

たくさんの種類の有機化合物がこれまでにわかっていますが、似ている構造のものをグループとしてまとめることで、わかりやすく整理することができます

これから少しずつ、一緒に学んでいきましょう。

おわりに

1時間目はいかがでしたか?

今回の内容はまだ香り成分は登場していませんが、ちょっとでも化学に親しみを持っていただけたらうれしいです。

次回は原子どうしがどのように結合するか、化学結合のお話しと香り成分のグループ分けのお話をしたいと思います。

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WRITERこの記事をかいた人

森永香織

AEAJ認定アロマセラピスト/AEAJ認定アロマテラピーインストラクター/環境カオリスタ/@aromaアロマ空間コーディネーター/JAMHA認定ハーバルセラピスト お線香の香りが漂う家で育ち、香りのある植物が大好き。現在、高校で化学を教えている理科教師です。