日本と海外の違いは?ヨーロッパ各国のアロマ事情

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アロマの歴史とヨーロッパ

ここからはアロマの勉強をされたことであれば、一度は聞いた事があるであろうヨーロッパのアロマの歴史に関する場所をご紹介します。

ドイツ編

アロマの歴史で勉強されたことがあるかたも多いと思いますが、「オーデコロン(ケルンの水)」発祥の地、ケルンを訪れました。

ケルンには香水博物館の「ファリナハウス」(1709年創設)があります。
http://www.farinahaus.de/

オーデコロンはイタリア出身の香水職人ヨハン・マリナ・ファリナが「春の雨上がりのイタリアの朝」をイメージして作成されたものと言われています。ベルガモットをはじめとする柑橘系のさわやかな香りが印象的です。

現在でもファリナハウスでは300年変わらぬ製法でつくられるオーデコロンが販売されています。

香水博物館では1時間ほどの館内ツアーがあり、ファリナや香水の歴史、オーデコロン作成秘話などをガイドが紹介してくれます。(ツアーガイドは有料。英語、ドイツ語のみ)

博物館ではナポレオンが愛用したと言われるオーデコロンが入っていた瓶や、実際に使われていた工房など香水の歴史に関する展示物を見ることができます。

ツアー参加者にはオーデコロンのプレゼントもあります。

また、ケルンの街を歩いていると至る所に見ることができる「4711」(1792年創設)も有名です。こちらもオーデコロンを販売しているお店で、200年の歴史があります。

よく「4711」は世界最古のオーデコロンと紹介されていますが、創設年で見るとファリナハウスのオーデコロンが最古のものになります。「ファリナ」と「4711」はブレンドの内容は多少異なるものの、どちらも柑橘系をベースとした香りになっています。

ケルンを訪れることがあれば、是非二つの香りの違いを比べてみてください。

イタリア編

イタリアのフィレンツェには世界最古の薬局である「サンタマリアノッヴェラ薬局」があります。
http://www.santamarianovella.jp/2index/index2.html

中世から、香水や石けん、化粧品などを販売している歴史ある薬局です。

その中でも16世紀から続く香水「サンタ・マリア・ノヴェッラ」は「王妃の水」と呼ばれ、ケルンのオーデコロンはこの香水が起源となったと言われています。

薬局の中はまるで宮殿や美術館のような雰囲気、足を踏み入れるだけで歴史の古さを感じることができます。

もう一つ古い薬局として、「サンティッシモアンヌンツィアータ薬局」があります。フィレンツェのドゥオーモから徒歩5分のところにあります。

昔ながらの薬局で、カウンターの奥にスタッフが一人。化粧品やボディケア用品が並び、精油も販売されていました。日本人の観光客も多く来局するそうで、日本語の案内パンフレットも置かれています。

オーストリア編

ウィーンにあるオーストリア国立図書館には、古代ローマの医師ディオスコリデスによる本草書「薬物誌」のギリシャ語の写本である「ウィーン写本」が保存されています。

図書館内でウィーン写本を探すのには苦労しましたが、1500年も昔のものとは思えないほど綺麗なものでした。

おわりに

今回、私がヨーロッパをまわって一番感じたのは、アロマセラピーをはじめとする植物療法や代替療法に関して、日本に入ってきている情報には偏りや誤りがある場合も多々あるということです。

ネットで下調べをしてから行っても、現地で見た現実は違うということもたくさんありました。

アロマセラピーを生活に取り入れるためには、たくさんの情報の中でどれが正しい情報かを見極める目も必要です。

皆さんもヨーロッパに行く機会があれば、是非現地のアロマ事情を覗いてみてください。新しい発見ができるかもしれませんよ。

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この記事を書いた人

薬剤師/AEAJ認定アロマテラピーインストラクター/AEAJ認定アロマセラピスト/IFA認定アロマセラピスト/サードメディスン認定アドバイザー
大学病院勤務中に参加した米国薬剤師セミナーにてアロマセラピーと出会う。現在は、薬局で患者さん向けにアロマの使い方を提案、クラフト講座などを開催。薬剤師として働きながら、自宅アロマサロンRINN's therapyを運営。

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