アロマテラピーでは欠かせない、ティートリー精油。ティーツリーやティートゥリーとも呼ばれ、パワフルな抗菌作用があり、風邪や花粉症シーズンの代表的な精油のひとつです。
本記事ではティーツリー精油の特徴や主な効能、おすすめの使い方を詳しくご紹介します。

小田 ゆき
アロマとメディカルハーブのスペシャリスト
アロマ専門メディア『AROMA LIFESTYLE』主宰。YouTubeでもアロマ情報を発信し、チャンネル登録者は2万人を超える。セミナー講師、コラム監修、メディア出演などで幅広く活動中。自身の経験を踏まえた、わかりやすく丁寧なレッスンに定評がある。プライベートでは1児の母。詳細プロフィールはこちら
そもそも、ティートリーとは?
オーストラリアの先住民に、古くから万能薬として使われてきた植物

ティートリーは、オーストラリアに自生するフトモモ科の樹木です。英名は tea tree で、日本語読みではティーツリー、ティートゥリーなど揺れがありますが、意味はすべて同じです。非常に生命力が強い植物で、幹を切り倒しても2年後にはまた伐採できるほどに成長します。
オーストラリアの先住民族アボリジニは、古くから感染症や傷薬を癒やす万能薬としてティートリの薬効を利用してきました。葉から得られる精油には強い殺菌・消毒作用があり、第二次世界大戦中にはフランス人医師のジャン・バルネが負傷した兵士に使用したという歴史もあります。
現在でも、オーストラリアの家庭には必ずと言っていいほどティートリー精油が常備され、健康管理や掃除などさまざまな用途に使われています。
<豆知識>ティーツリーの名前の由来は?
ティーツリーはいわゆる「お茶の木」とは別物です。その昔、イギリス人探検家のキャプテン・クックが初めてオーストラリアに上陸したとき、先住民がティーツリーの葉でお茶をいれて、クックをもてなしたことから「お茶の木(tea tree)という名前が付けられたと言われています。
ティートリー精油はどんな香り?

ティートリーの葉を水蒸気蒸留して得られるのがティートリー精油です。ティートリーオイルとも呼ばれ、シャープですっきりとした清潔感のある香りが特徴的。
いわゆる花のような魅力的な香りではなく、薬品のような雰囲気もある独特の香りですが、ブレンドに少し足すとフレッシュな印象を与えてくれます。
ティートリーの精油データ
学名 | Melaleuca alternifolia |
科名 | フトモモ科 |
主な抽出部位 | 葉 |
主な抽出方法 | 水蒸気蒸留法 |
主な芳香成分 | テルピネン-4-オール、γ-テルピネン、1,8-シネオール |
揮発度 | トップ〜ミドルノート |
香りの強さ | 弱〜中 |
主な産地 | オーストラリア、ザンビア、南アフリカ共和国 |
ティートリー精油の主な効果・効能
強力な抗菌作用が魅力のティートリー精油。その効果は、多数の研究で科学的に実証されています。(参考:tea tree oil antimicrobial – PubMed – NCBI)ここからはティートリー精油に期待できる主な効果・効能を解説します。
風邪・インフルエンザ・花粉症の緩和
ティートリーの主成分であるテルピネン-4-オールには、優れた抗感染作用や免疫力アップの働きがあります。そのため、風邪やインフルエンザなどの感染症予防や、花粉症などのアレルギー症状の緩和に役立ちます。
呼吸器系の痛みや炎症をやわらげる効果もあるため、鼻づまり、鼻水、副鼻腔炎、喉の痛みにも効果的。ユーカリ・ラディアタとのブレンドはさらに効果を高めます。
ニキビ・水虫・傷のケアに
非常に優れた殺菌、抗真菌作用があるため、ニキビや水虫のケアに役立ちます。アメリカのある研究では、ティートリー精油には過酸化ベンゾイル(ニキビ治療に用いられる薬)と同等の効果があることが報告されています。
抗炎症作用もあるため、切り傷、虫刺され、床ずれのほか、やけどや日焼けの炎症を鎮めるのにも効果的。ウイルス性のいぼ、ヘルペス、頭皮のかゆみやフケにも有効です。
強力な殺菌力を持ちながら、肌への刺激が少ないのも大きな魅力です。
リフレッシュ効果
ティートリーの清涼感あるシャープな香りは、疲れた心をリフレッシュさせ、頭をすっきり明快にしてくれるので、やる気をアップしたいときにおすすめです。
その他期待できる働き
- カビや雑菌の繁殖を抑える
- 消臭・デオドラント
- 防虫

ティートリー精油の注意事項・禁忌
さまざまな効果が期待できるティートリー精油ですが、安全に楽しむために以下の点に注意しましょう。
皮膚刺激に注意
ティートリー精油は刺激の少ない精油ですが、アロママッサージや手作りコスメなどで肌に用いる場合、まれにかぶれを起こす人がいます。敏感肌の方やアレルギー体質の方は事前にパッチテストを行い、アレルギー反応が出ないことを確認してから使いましょう。
冷暗所に保管する
ティートリー精油は比較的酸化しやすいとされているため、冷暗所で保管し早めに使い切ります。古くなった精油は肌への刺激が強まるため、注意してください。
ティートリー精油の使い方&活用レシピ
風邪・インフルエンザの予防、花粉症の緩和に
アロマディフューザーを使ってティートリーの香りを広げます。鼻づまりや喉の痛みには蒸気吸入もおすすめです。マグカップに熱湯を入れ、精油を1〜2滴落として香りを5分程度吸入します。必ず目を閉じて行います。
ニキビのケアに
1日数回、ティートリー精油原液を綿棒に1滴つけて、ニキビの部分にやさしく塗ります。予防のためには、化粧水として使うのもおすすめです。(化粧水の作り方はこちら)
原液塗布の注意点
精油は濃縮された成分のため、原液のまま肌に使うことはできません。しかし、例外としてティートリー精油は少量・局所的な使用であれば原液塗布が可能です。ただし、以下のことに注意しましょう。
・アロマテラピーグレードの高品質な精油を使用する。
・長期間の使用は避け、短期間(1週間程度)の使用にとどめる。
・敏感肌の方は皮膚刺激を感じることがあるため、最初は低濃度で様子をみながら使用する。
ニキビ予防&オイリー肌のケアに
洗面器に熱めのお湯を入れて、ティートリー精油を2滴落とします。蒸気を逃さないように頭にバスタオルをかぶり、目を閉じて蒸気を顔に当てます。5〜10分ほどを目安に。
水虫に
洗面器に集めのお湯(42度程度)を入れ、ティートリー精油を2滴落とし、よく混ぜてから足をつけます。5〜10分ほどを目安に。
カンジダ性膣炎に
お風呂にティートリー精油3滴、ゼラニウム・エジプト精油2滴たらして、よく混ぜてから入ります。
フケ防止に
シャンプーをするときに、1回分のシャンプー液にティートリー精油を1滴加え、よく混ぜてから使います。ゼラニウムやパルマローザを1滴プラスするのも効果的。
キッチンやリビングの掃除に
強力な殺菌作用を持つティートリー精油はお掃除にも活躍します。とくに重宝するのが、手作りの除菌スプレー。簡単に作れて、拭き掃除や消臭、カビ予防などマルチに使えます。
お掃除用除菌スプレーの作り方
スプレー容器に無水エタノールを40ml入れ、ティートリー精油を20〜40滴(1〜2%濃度)加え軽く混ぜます。さらに精製水(もしくは軟水ミネラルウォーター)を60ml入れてよく混ぜれば完成。使う前には容器を振ってよく混ぜてから使います。

レモンやペパーミント、グレープフルーツなど抗菌作用のある精油を一緒に混ぜるのもおすすめ。その場合は合計で20〜40滴になるように調整してください。
おわりに
殺菌、消毒作用に優れ、風邪や花粉症対策、肌トラブルなど身近な悩みに効果を発揮してくれるティートリー精油。
刺激も少なく、子供や高齢者にも比較的安心して使えますが、基本的なルールを守って、安全安心にアロマテラピーを楽しみましょう。



ティートリーの香りが苦手と感じるときは、ラベンダーやオレンジなどとブレンドすると香りがマイルドになりますよ♪
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