アロマを始める前に必ず知っておくべき7つの注意点【初心者向け】

精油

アロマテラピーに欠かせない精油(アロマオイル)は、天然のものなので安全だと思いがちですが、精油は高濃度に凝縮されたものなので、その作用はパワフルです。使い方を間違えると、効果が得られないばかりか、思わぬトラブルを引き起こしてしまうこともあるので注意が必要です。アロマテラピーを安全に楽しむために、精油の正しい知識や扱い方を身につけておきましょう。今回はアロマテラピーを始める際に、必ず知っておきたい重要な注意事項を7つ厳選してご紹介します。

この記事を書いた人

小田 ゆき

アロマとメディカルハーブのスペシャリスト

アロマ専門メディア『AROMA LIFESTYLE』主宰。YouTubeでもアロマ情報を発信し、チャンネル登録者は2万人を超える。セミナー講師、コラム監修、メディア出演などで幅広く活動中。自身の経験を踏まえた、わかりやすく丁寧なレッスンに定評がある。プライベートでは1児の母。詳細プロフィールはこちら

YouTubeでもご紹介しています

※動画版では時間の都合上「7. 猫やフェレットは精油が苦手」は省いています。

目次

1. 品質の確かな精油を使う

精油(アロマオイル)

まず、大前提として、アロマテラピーに使うことができるのは、植物から得られる100%天然&純粋な「精油」だけです。英語読みで「エッセンシャルオイル(Essential Oil)」とも呼ばれます。

100円ショップなどで「アロマオイル」という名称で販売されている製品の多くは合成香料であり、あくまで香りを嗅いで楽しむためのものです。肌に触れる使い方をしたり、心身への効能は期待できないため、注意しましょう。

「アロマを焚いていたら気分が悪くなった」「肌にアロマオイルを使ったらかぶれてしまった」といったトラブルの多くは、本物ではない精油や、品質の悪い精油、劣化した精油を使ったことによるトラブルです。

アロマテラピーを安全かつ効果的に楽しむためには、品質の確かな精油を使うことを一番に心がけましょう。

2. 肌に使う場合は必ず薄める(原液を直接肌につけない)

品質の確かな精油は、お風呂やマッサージ、手作りコスメなど肌に触れる使い方もできます。

ただし、精油は植物の香り成分が高濃度に凝縮されたものなので、原液のままでは刺激が強すぎます。肌に使う場合は、原則として植物油などで低濃度に希釈(薄める)して使うことが大切です。

精油は1%以下に薄めるのが基本

精油を薄める割合は、ボディの場合1%以下が目安ですが、使う精油の種類や使用方法により多少変わってきます。

とくに顔などのデリケートな部分に使う場合や敏感肌の人は、さらに薄めの濃度(0.5%以下)を心がけましょう。

精油の希釈濃度について

希釈濃度とは、植物油などの基材の量に対して何%精油が含まれるかを示したもの。
日本最大のアロマテラピー団体、社団法人日本アロマ環境協会(AEAJ)では、希釈濃度の目安を以下のように定めています。

・ボディに使用する際は1%以下
・フェイスに使用する際は0.1〜0.5%以下

ただし、これはあくまでもガイドラインなので、使う人の肌タイプや感じ方、その時の体調、使用部位などに応じて調整します。

小田ゆき

精油1滴は約0.05mlなので、「ベースオイル小さじ1杯(5ml)に対して、精油1滴で1%濃度」と覚えておくとわかりやすいですよ。

肌に精油を使う方法について、詳しくは以下の記事で解説しています。

お風呂に直接入れるのはNG

精油は水には溶けないので、お風呂に入れるときは、そのままお湯に精油を垂らすのは注意が必要です

なぜなら、水面に浮いた精油の原液が肌に触れて、チクチクしたり赤くなったり肌トラブルが起こることがあるためです。

お風呂に精油を使う際は、植物油であらかじめ希釈したものを使用したり、乳化剤などに混ぜてから使いましょう。これにより、肌への刺激を和らげることができます。

敏感肌やアレルギー体質の人は慎重に

精油との相性は人それぞれなので、体質や体調によっては肌に合わなかったり、稀にアレルギーを起こしたりすることもあります。そのため、初めて精油を肌に使う時にはあらかじめパッチテストをしたほうが安心です。特に敏感肌の人やアレルギー体質の人は、必ず行なって異常がないことを確認しましょう。

【簡単なパッチテストの方法】

腕の内側に希釈した精油を綿棒で塗り、30分程度様子をみる。異常があれば使用を控える。

3. 光毒性と皮膚刺激に注意する

私たちにとって有益な作用がたくさんある精油ですが、マイナスの作用も少なからずあります。その中でも必ず覚えておきたいマイナス作用が「光毒性」と「皮膚刺激」の2つです。

光毒性に関する注意

精油成分の一部には、肌についた状態で紫外線にあたると、肌に炎症や色素沈着などの刺激を与える「光毒性(ひかりどくせい)」という作用をもつものがあります。

一般的な精油の中でとくに注意が必要なのが、ベルガモットです。このほか、グレープフルーツやレモン、ライムといった柑橘の皮から圧搾法と呼ばれる方法で抽出された精油に多いのが特徴です。

これらの精油を肌に使う場合は、外出前や外出中など、日光にあたる部分に使うのは避けるか、光毒性をもつフロクマリンいう成分を除去したタイプの精油を使うことをおすすめします。「フロクマリンフリー(略して、FCF)」といった名称で販売されています。

光毒性に注意が必要な精油の例

ンジェリカルート、オレンジビター、クミン、グレープフルーツ、ベルガモット、ライム、レモン など

小田ゆき

全ての柑橘系精油に光毒性があるわけではありません。例えばオレンジスイート、マンダリン、ユズなどは光毒性がない、あるいは非常に弱いとされています。また、レモンやグレープフルーツであっても、水蒸気蒸留法で抽出した精油には光毒性の心配はありません

皮膚刺激に関する注意

精油成分の一部には、肌に刺激を与えるものがあり、高濃度で使うとかぶれや肌荒れの原因となる場合もあります。

皮膚刺激に注意が必要な精油は、柑橘系やスパイス系の精油をはじめ、レモングラスやペパーミントなどです。

これらの精油を肌に使う場合は、一般的な希釈濃度よりも低めの濃度(0.5%以下)に希釈することを心がけましょう。

皮膚刺激に注意が必要な精油の例

柑橘系、スパイス系、ペパーミント、ユーカリ、レモングラス、針葉樹の精油 など

小田ゆき

光毒性や皮膚刺激といった言葉を聞くと怖いイメージがありますが、正しく使えば安全に楽しむことができます。使い方や適切な希釈濃度をしっかりと守って使うようにしましょう。

4. 精油は絶対に飲まない

主に海外では専門家の指導のもと、精油を内服するケースもありますが、これは例外的な方法です。精油はたった1滴であったとしても、作用が強力なものや毒性を示すものもあります。自己判断で精油を飲むことは非常に危険な行為なので、絶対にやめましょう。

そして、小さな子供や高齢者、ペットの誤飲を防ぐため、精油の保管場所にも十分配慮しましょう。

小田ゆき

精油は香りを嗅いだり、マッサージに使うといった方法でも十分効果的に働きかけてくれます。
近年では「飲めるアロマ」と謳って精油の飲用を勧めている人もいますが、とてもリスキーなことです。初心者の方は鵜呑みにしないように注意してください

5. 小さな子供、妊娠中、持病のある人は慎重に使う

妊娠中のアロマテラピーの楽しみ方

誰でも楽しめるアロマテラピーですが、なかには精油の使用に注意が必要な人がいます。

子供に対する注意

まずは子供です。成長過程の子供は嗅覚が大人よりも繊細で、外からの影響を受けやすい傾向があります。原則として、3歳未満の乳幼児には芳香浴(アロマディフューザーなどを使って、空気中に精油を漂わせる方法)だけにとどめて、お風呂やマッサージなど肌に触れるような使い方は避けます。芳香浴を行うときも、香りを控えめにしましょう。

また、3歳以上の子供でも、精油の使用量は大人の使用量の1/10程度から始め、多くても1/2程度とし、様子をみながら慎重に使いましょう。

妊娠中、持病のある人、高齢者に対する注意

そして、妊娠中や授乳中の人、持病のある人(高血圧やてんかんなど)、高齢者は使用を控えた方がよい精油があります。アロマテラピーを始める前に医師や経験を積んだ専門家に相談しましょう。

小田ゆき

精油のもとになる植物は自然界に存在するものなので、その香りを多少嗅ぐ程度で大きな問題が起こることはほぼありませんが、強い香りの刺激は避けたほうが安心です。さらに、アロママッサージなどで肌に精油を用いるような場合にはとくに注意を払う必要があるので、念の為医師に相談のうえ行いましょう。
そして、芳香浴でも香りは控えめ&短時間にとどめ、不快感や異変を感じた場合は使用を中止してください。

6. 精油は冷暗所で保管して、早めに使い切る

精油の保管

精油は天然のものだけにとてもデリケートで、保管方法にもルールがあります。

とくに精油は光や熱、酸素などの影響を受けやすく、成分が劣化しやすいという特徴があるため、精油の品質を維持するためにも、使った後はキャップをしっかり閉めて、冷暗所に立てた状態で保管することが大切です。

また、精油には引火性があるため、キッチンなど火気の近くは避け、子どもやペットの手の届かない場所に保管しましょう。

小田ゆき

直射日光が当たる窓辺や湿気の多いバスルームに置くのは絶対にやめましょう。すぐに劣化してせっかくの香りや効能が台無しになってしまいます。

精油の保存期間について

精油の保存期間は、開封後約1年が目安とされています(保存状態にもよります)。ただし、柑橘系の精油は劣化が早いので、開封したら半年を目安に使いきるようにしましょう。

7. 猫やフェレットは精油が苦手

Photo by Kate Stone Matheson on Unsplash

動物の体の仕組みは人間とは異なります。特に、猫やフェレットのように肉食性が強い動物は、植物から抽出した精油成分をうまく代謝できないと言われており、精油を口や皮膚から摂取すると毒性を示すことがあります。

猫やフェレットのほか、香料に敏感な小鳥や子犬を飼育している家庭での精油の使用は十分注意してください。

まとめ

今回はアロマを安全に楽しむために、必ず知っておくべき大切な注意点をご紹介しました。

おさらいすると次の7つです。

  1. 品質の確かな精油を使う
  2. 肌に使う場合は必ず薄める
  3. 光毒性と皮膚刺激に注意する
  4. 精油は絶対に飲まない
  5. 小さな子供や妊娠中、持病のある人は慎重に使う
  6. 精油は冷暗所で保管して、早めに使い切る
  7. 猫やフェレットは精油が苦手

これらのポイントをしっかりおさえて、安全かつ効果的にアロマテラピーを楽しみましょう♪

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この記事を書いた人

アロマとメディカルハーブのスペシャリスト。アロマ専門メディア『AROMA LIFESTYLE』主宰。YouTubeでもアロマ情報を発信し、チャンネル登録者は2万人を超える。メディア出演も多数。自身の経験を踏まえた、わかりやすく丁寧なレッスンに定評がある。

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