こんにちは、アロマライフデザイナーの小田ゆき(@aroma_lifestyle)です。
アロマテラピーの代名詞的存在として、不動の人気を誇る「ラベンダー」。
リラックス効果や安眠効果が有名ですが、「万能精油」と呼ばれるほど用途が幅広く、アロマテラピーで最もよく使われるアロマオイル(精油)です。
今回はラベンダーの優れた効能やおすすめの使い方を詳しくご紹介します。
ラベンダーとは?
ラベンダーは地中海沿岸原産のシソ科の植物。紫色の可憐な花と清楚な香りで「ハーブの女王」とも呼ばれ、ヨーロッパでは古くから薬用や香水の原料として幅広く用いられてきました。
ラベンダーの語源はラテン語で「洗う」という意味のlavareに由来するとされ、古代ギリシャ・ローマの時代では心身を浄化するハーブとして沐浴などに利用されていたようです。
ラベンダー精油の種類について
ラベンダーには数多くの種類がありますが、ラベンダーのアロマオイル(精油)と言うと一般的には「真正ラベンダー」のことを指します。ラベンダーの代表的な品種で、イングリッシュラベンダー、コモンラベンダー、トゥルーラベンダー、ファインラベンダー、ラベンダー・アングスティフォリアなどとも呼ばれます。
アロマテラピーで主に利用される品種
・真正ラベンダー(学名:Lavandula angustifolia, L.officinalis, L.vera)
ラベンダーの代表種。標高1000m前後の乾燥した高地に育つ。精油は鎮静作用のあるエステル類の酢酸リナリルを多く含有し、甘みのあるフローラル調の香りが特徴。リラックス効果をはじめ幅広い効能が期待でき、刺激が少なく、子供やお年寄りが使用するのにも適している。プロヴァンス産のものが最高品質とされる。
・スパイクラベンダー(Lavandula latifolia, L.spica)
標高500m前後の低地に生育。精油成分は真正ラベンダーと異なり、酸化物類の1,8-シネオールやケトン類のカンファーを含むため、樟脳のようなシャープな香りが強い。精神的な不調への効果は期待できないが、風邪などの呼吸器のケア、やけど、虫刺されなど皮膚トラブルのケアに適している。妊娠中や乳幼児への使用には注意が必要。
・ラバンジン(Lavandula hybrida, L.x intermedia)
真正ラベンダーとスパイクラベンダーをかけ合わせた交配種。両者の中間的な特徴をもち、栽培量が多いため、価格は比較的安価。フローラルな甘さと、シャープさを併せ持つ香りで、真正ラベンダーと似たような使い方ができる。香料業界では真正ラベンダーの代わりとして使われることが多い。
ラベンダー精油はどんな香り?
真正ラベンダーの花と葉(または花穂)を水蒸気蒸留して得られるのがラベンダーのアロマオイル(精油)です。
フローラル調のリナロールや、果実様の甘い香気をもつ酢酸リナリルという芳香成分を多く含み、フローラルな甘さの中に、ハーブ調の爽やかさを感じる柔らかな香りが特徴です。
ラベンダーの産地や抽出部位、蒸留技術によって微妙に香りは異なりますが、酢酸リナリルの含有率が高いほど甘い香りになります。
また、アロマテラピーでは最もポピュラーな香りですが、意外にも嗜好性の強い香りで、好き嫌いが分かれます。ラベンダーが苦手な人は、柑橘系などほかの精油と組み合わせると、よりマイルドで心地よい香りを楽しめます。
多くの精油と相性が良く、ブレンドのまとめ役やつなぎ役にも活躍します。
ラベンダー精油の基本情報
学名:Lavandula angustifolia, Lavandula officinalis, Lavandula vera
科名:シソ科
抽出部位:花と葉(または花穂)
抽出方法:水蒸気蒸留法
主な産地:フランス、イギリス、ブルガリア、タスマニアなど
主な成分:酢酸リナリル、リナロール、ラバンジュロール
ラベンダー精油の効果・効能
万能精油と呼ばれるほど多くの使い方ができるラベンダー。ここでは、期待できる主な働きや効能をご紹介します。
ストレスを軽減して心身のバランスを整える
ラベンダー精油に期待できる効果・効能として一番に挙げられるのがリラックス効果です。心を落ち着かせる鎮静作用をもつ成分、酢酸リナリルやリナロールを多く含むため、心身のリラックス効果に優れ、ストレスによる緊張や不安、怒りを和らげ、安定した精神状態へと導きます。
ラベンダーの香りを嗅ぐと、リラックス状態で増加するアルファ波が増えたという実験結果も。心身がリラックス状態になると、副交感神経が活発に働くため、自律神経のバランスを整えたり、免疫力を高める効果も期待できます。
安眠効果
安眠効果があることでも有名なラベンダー。リラックスモードの副交感神経を優位にするほか、気分を安定させるセロトニンや、睡眠ホルモンと呼ばれているメラトニンの分泌を促すと言われ、不眠の改善、良質な睡眠に役立ちます。
痛みを和らげる
ラベンダーは精神的な不調を癒やす効果だけではありません。
痙攣(けいれん)を抑える作用、鎮痛作用、筋肉をゆるめる作用があり、頭痛、肩こり、筋肉痛、ストレス性の胃痛など、筋肉の痛みやけいれんにも効果的。ラベンダー精油を用いたアロマテラピーマッサージで生理痛が軽減したという実験結果も報告されています。
ホホバオイルなどの植物油に希釈して、痛みのある部位に塗布したり、精油を含ませたタオルを当てて痛みやコリを癒やす湿布法がおすすめです。
皮膚トラブルを改善する
ラベンダー精油は、皮膚に対しても優れた効能が期待できます。
殺菌、抗炎症作用のほか、はんこん形成、皮膚組織再生など傷を癒やす作用があり、軽いやけど、日焼け、手荒れ、かゆみなど幅広い肌トラブルの解決に。虫刺され、ニキビ、水虫、あせものケアにも役立ちます。軟膏やジェルにして、気になる部位に塗布するとよいでしょう。
美肌効果
古くから美容に用いられてきたラベンダー。肌の新陳代謝を促す効果が期待でき、くすみ、しみ、しわの予防などエイジングケアにも有効です。心身をリラックスさせる効果もあるため、ストレスによる肌荒れや大人ニキビにお悩みの方にもおすすめ。刺激が少なく、すべての肌質に使えますが、敏感肌やアレルギー体質の方は事前にパッチテストを行うと安心です。
その他期待できる働き
- 血圧を下げる
- 風邪やインフルエンザなどの感染症を予防する
- カビや雑菌の繁殖を抑える
- デオドラント
- 防虫
ラベンダー精油の活用法&おすすめの使い方
ティッシュに落とす
寝つきが悪い時には、ラベンダー精油を1滴染み込ませたティッシュを枕元に置くと、甘くやさしい香りが安らかな眠りを誘ってくれます。ただし、香りが強すぎると、かえって眠りを妨げてしまうことがあるので、ほんのり香る程度にするのがポイントです。ティッシュの代わりにアロマストーンを使っても◎
アロマバス
ラベンダーの効果をさらに生かすには、アロマバスがおすすめです。香りとお風呂の相乗効果で、心身ともに疲れが取れてリラックスできます。こわばった筋肉がほぐれて血行がよくなるため、肩こりや冷え性にも効果的。
アロマバスの方法
大さじ1程度の天然塩orはちみつにラベンダー精油を2、3滴混ぜて、浴槽のお湯に溶かし、よくかき混ぜてから入浴します。お風呂のお湯にラベンダー精油を2、3滴落とし、よく混ぜてから入浴します。
手作り化粧水
ラベンダーは刺激が少なく、スキンケアに使いやすい精油の代表格です。肌と心を潤してくれるラベンダーの化粧水を作ってみましょう。少ない材料で簡単に作れます。
材料(50ml容器分)
- 精製水:45ml *お好みの芳香蒸留水でもOK
- グリセリン:小さじ1(5ml)
- ラベンダー精油:1〜2滴
- ガラス製の保存容器
*精製水とグリセリンは薬局で、保存容器(遮光瓶など)はアロマテラピー専門店やネット通販で購入できます。
*さっぱり感のある化粧水にする場合は、無水エタノールを5mlプラスして、精製水を40mlにします。
作り方
- 清潔な保存容器にグリセリンを小さじ1(5ml)入れ、ラベンダー精油を1〜2滴加える。
- 容器を左右に軽く振り、グリセリンと精油を混ぜ合わせる。
- 精製水を45ml加え、容器のふたをしめ、よく振って混ざったら完成。
使い方
容器をよく振ってから使います。
冷蔵庫で保存し、1〜2週間程度を目安に使い切るようにしてください。
※肌に合わない場合は使用を中止してください。
ラベンダー精油を使う際の注意点・禁忌
ラベンダー(学名:Lavandula angustifolia)は、使用方法や使用量の目安に準ずれば、禁忌はありません。ただし、ラベンダーはたくさんの種類があり、中には妊娠中や授乳中、小さな子供、高齢者は使用を避けるべきと判断されるものもあります。使用の際は必ず学名を確認してください。
また、アロママッサージや手作りコスメなどで肌に使用した場合、まれにアレルギー反応(肌にかゆみ、腫れなど)を起こす人がいます。敏感肌の方やアレルギー体質の方は事前にパッチテストを行い、アレルギー反応が出ないことを確認してから使いましょう。パッチテストの簡単なやり方は以下記事でご紹介しています。
おわりに
ラベンダーは非常に多くの効果が期待でき、心と体の両面に効果的に働きかけてくれます。
安全性も高く、アロマ初心者や子供、高齢者にも使いやすい精油ですが、基本的なルールを守って、安全安心にアロマテラピーを楽しみましょう。
おすすめのアロマオイルブランド
おすすめのアロマオイル(精油)ブランドをご紹介しています。どのブランドがよいか迷ったときに参考にしてください。