こんにちは、アロマライフデザイナーの小田ゆき(@aroma_lifestyle)です。
アロマオイル(=精油)は香りを楽しむ以外に、お風呂や美容、掃除などバラエティに富んだ使い方ができるのが魅力です。
そこで今回は、初心者の方でも簡単に楽しめる、アロマオイル(精油)の使い方をご紹介します。

1. 芳香浴(ほうこうよく)
「芳香浴(ほうこうよく)」とは、精油の香りを空間に広げて楽しむアロマテラピーの最も基本的な方法です。
手軽に行うことができ、リラックスや気分転換など、心身のバランスを整えるのに役立ちます。
香りを拡散する芳香器には「アロマディフューザー」や「アロマランプ」などさまざまな種類がありますが、専用の道具がなくても大丈夫。
使う場所や目的に合わせて適した方法を選んでみましょう。
アロマディフューザーで楽しむ

芳香浴の中で最もポピュラーなのが、専用の芳香器「アロマディフューザー」を使って香りを楽しむ方法です。
一番のメリットとしては、空間に精油の香りを効率的に広げることができること。したがって、リビングや寝室など、お部屋でアロマを楽しみたい方におすすめです。
アロマディフューザーには、定番人気の「超音波式」のほか、拡散力に優れた「ネブライザー式(空気圧縮式)」などがあります。
・超音波式ディフューザー
主流のミストタイプは、低価格帯の製品であれば2000円前後で購入可能。
使うたびに精油や水を入れるなど手間がかかるのが難点だが、少量の精油で利用することができる。
デザインのバリエーションも豊富で、無印良品やニトリなど身近な店舗でも入手しやすい。
動作音が目立たないので寝室にも人気。
・ネブライザー式&気化式ディフューザー
近年人気が高まっている水を使わないタイプのアロマディフューザー。
ミストタイプより高価だが、メンテナンスがラクで使いやすい。拡散力が高く、10畳を超えるリビングなど広い空間に最適。
オイル瓶をそのままセットするだけで使える便利なアイテムもあり。
ティッシュやコットンを使って

最も簡単なアロマオイルの使い方です。
精油は揮発性があるため、ティッシュやコットンに垂らしておくだけでも自然に香りが広がります。
特別な道具が必要ないので、寝る前に枕元に置いたり、仕事や育児の合間の気分転換にもおすすめ。旅先のホテルのニオイが気になるときにも役立ちますよ。
部屋全体を香らせることはできませんが、自分だけでちょこっとアロマを楽しみたいときに最適な方法です。
●方法
ティッシュやコットン、ハンカチに精油を1〜2滴垂らし、近くに置いて(精油が家具などに触れないように)香りを楽しみます。
・ハンカチを使う場合はシミになることがあるので、汚れてもよいものを使いましょう。
・布や木製製品に精油が付着するとシミができる場合があるので、机に置くときには受け皿があると安心です。
アロマストーン

ティッシュやコットンでは味気ない…という方には「アロマストーン」がぴったり。
アロマストーンとは、素焼きの石や石膏で作られたもの。精油を垂らすだけで簡単に使え、ちょっとしたインテリアとしても楽しめます。
自然に香りが広がるものなので、電気式のアロマディフューザーに比べると香りの拡散力は弱いですが、読書やリラックスタイムに自分ひとりで香りを楽しみたいときや、玄関、トイレ、デスク、車など、狭い空間の芳香にも適しています。
アロマストーンは無印良品やアロマ専門店、ネット通販などで購入することができます。木製のアロマウッドと呼ばれるアイテムも人気です。
アロマライト、アロマポット
電気やキャンドルの熱で精油を温めて拡散させるディフューザーです。
穏やかな香りと柔らかい光で、癒し効果が得られるのが魅力。夜のリラックスタイムにも最適です。
小さな子供やペットがいる家庭では、火を使わない「アロマライト」が安心。
2. アロマバス(沐浴)

「アロマバス」は、精油の香りとともに入浴する方法のこと。
香りを楽しむだけでなく、皮膚からも精油成分が吸収されるため、芳香浴よりも高い効果が期待できます。
また、入浴による温浴効果やリラクゼーション効果も加わり、アロマとの相乗効果も得られます。
アロマバスの安全な楽しみ方
精油はお湯(水)に溶けないため、浴槽にそのまま垂らすと原液が肌に触れて、大きなトラブルを招く恐れがあります。
あらかじめ植物油や専用のバスベース(乳化剤)に混ぜてから浴槽に入れるのが大切なポイントです。
とくに柑橘系やスパイス系、ペパーミント、ユーカリ・グロブルス、レモングラスなどは肌への刺激が強いため、注意が必要です。
アロマバスは以下のような方法で楽しむことができます。
その日の気分や目的に合わせて、お風呂の入り方も工夫してみましょう。
全身浴・半身浴
肩までつかる「全身浴」は、効率的に全身を温めることができるため、疲労回復におすすめです。「半身浴」は身体への負担が少なく、長時間お湯につかることができるので、読書などリラックスした時間を過ごしたいときに適しています。
●方法
植物油小さじ1程度に精油を1〜5滴(半身浴は1〜3滴)混ぜ、浴槽のお湯に入れてよくかき混ぜてから入浴します。
Point
●リラックスしたいときは38〜40度のぬるめのお湯で長めに、リフレッシュしたいときは42度程度の集めのお湯で短時間入浴を。
●バスソルトを使えば、保温作用や発汗作用がアップします。作り方はこちらをご覧ください。
部分浴(手浴・足浴)
「部分浴」は、身体の一部だけをお湯につける方法です。服を脱がずに手軽に楽しめるので、気分転換したいときや、病気やケガでお風呂に入れないときにもおすすめです。
《手浴(しゅよく)》
準備がラクで、手軽にできるのが魅力。頭痛など首より上の不調に役立ちます。
《足浴(そくよく)》
全身の血流改善に役立ち、冷えや生理痛、足のむくみが気になるときに。くるぶしまでつけると効果的。
●方法
洗面器にやや熱めのお湯を張り、植物油小さじ1程度に精油を1〜3滴混ぜたものを加え、よくかき混ぜてから手や足を浸けます。
アロマシャワー
手軽に楽しめる「アロマシャワー」。バスルームの床に精油を1〜3滴垂らしてからシャワーを浴びます。
朝のシャワータイムには、元気が出るオレンジ・スイートや、眠気を吹き飛ばすペパーミントを。旅先で湯船につかれないときにも最適です。
※精油が直接肌に触れないように注意してください。
3. アロママッサージ

精油を植物油(キャリアオイル)に混ぜ合わせるだけで簡単にマッサージオイルを作ることができます。
精油の香りとマッサージの相乗効果で深いリラックスをもたらすだけでなく、美肌に整える、血行や老廃物の排出を促す、筋肉のコリを和らげるなど、心身への高い効果が期待できます。
アロママッサージの方法
精油の原液は刺激が強いので、直接お肌につけることができません。
ホホバオイルやスイートアーモンドオイルなどの植物油(キャリアオイル)で薄めてから使います。
精油を薄める割合は1%以下が目安ですが、使う精油の種類や使用方法、使う人の健康状態などにより多少変わってきます。
とくに顔などのデリケートな部分に使う場合や敏感肌の人は、さらに薄めの濃度(0.5%以下)を心がけましょう。
植物油の量 | 10ml | 20ml | 30ml | 40ml | 50ml |
1%濃度 | 2滴 | 4滴 | 6滴 | 8滴 | 10滴 |
0.5%濃度 | 1滴 | 2滴 | 3滴 | 4滴 | 5滴 |
・精油や植物油は高品質なものを選びましょう。
・敏感肌の人は0.5%以下の濃度で行い、必ずパッチテストをしてから行ってください。
・かゆみや炎症などのトラブルが発生した場合はすぐに水と石けんで洗い流し、必要に応じて医療機関を受診してください。
4. フェイシャルスチーム
「フェイシャルスチーム」は、精油成分を含んだ蒸気を顔にあてる方法です。
蒸気の温熱による血行促進や保湿効果も期待でき、肌荒れや、ニキビなど肌トラブルの予防・軽減に役立ちます。
フェイシャルスチームの方法
洗面器に熱めのお湯を入れ、精油を1〜3滴垂らします。
目を閉じて、10分ほど蒸気を顔に当てます。肌が敏感な人は5分間を目安に。
蒸気が逃げないよう頭からバスタオルをかぶって行うと効果的。
・精油成分が目の粘膜を刺激することがあるため、必ず目を閉じて行います。
5. 吸入
「吸入」は、精油の芳香成分を鼻や口から積極的に取り入れる方法です。
鼻や喉に直接作用させることができ、鼻づまりや喉の痛みなど風邪のひき始めに効果的な使い方です。
マグカップで蒸気吸入

お湯を入れたマグカップに精油を1〜3滴垂らします。
目を閉じてから蒸気に顔を近づけ、深呼吸するようにゆっくりと蒸気を吸い込みます。そのまま蒸気が出なくなるまで5分ほど行います。
※マグカップのお湯を間違って飲まないように注意。
・精油成分が目の粘膜を刺激することがあるため、必ず目を閉じて行います。
・咳が出るときや喘息の人、小さな子供には避けましょう。
マスクで

マスクの外側に精油を1滴垂らします。
香りが強いとむせてしまう場合があるので、マスクをつける5〜10分前に精油を垂らし、香りをなじませておくのがおすすめです。
・精油は皮膚を刺激することがあるため、精油のついた部分が直接肌につかないように注意します。
6. 湿布
「湿布」は、精油を含ませたタオルを体にあて、痛みやコリを癒す方法です。
一般的に、慢性の肩こりや腰痛、生理痛には血行を促す「温湿布」を。ねんざや打撲の直後など急性のトラブルやスポーツ後のクールダウンには「冷湿布」が効果的とされています。
湿布の方法
洗面器にお湯(または冷水)をはり、精油を1〜3滴落とします。
タオルで水面に浮いた精油をすくい取るようにし、精油が肌につかないように注意して絞ります。
精油がついた面が内側になるように折りたたみ、気になる部位にあてます。
・精油のついた部分が直接肌につかないように注意します。
・目のまわりや皮膚の薄い部分への使用は避けてください。
7. 手作りコスメ・アロマクラフト

化粧水やクリーム、入浴剤など、手作りコスメやアロマクラフトに精油を活用してみましょう。
自然素材で作るコスメはお肌にも優しく、香りによる心身への癒し効果も得られます。
虫除けスプレーやバスソルト、クレイパックなど混ぜるだけで簡単に作れるクラフトも多数。
化粧水
化粧水は最も手軽な手作りコスメのひとつ。自分の肌質や肌悩みにあった精油を選んでみましょう。
クリーム
シアバターに精油を加えるだけでリッチな保湿クリームに。
これひとつあれば、肌はもちろん、唇や髪など全身の乾燥ケアができます。
クレイパック
毛穴の黒ずみや肌のくすみが気になるときには、洗浄効果のある天然のクレイを使ってパックを手作りしてみましょう。
日々のスキンケアでは落とし切れない毛穴の汚れや皮脂を取り除くのに役立ちます。
虫除けスプレー
夏のおでかけの必需品、虫除けスプレーも手作りなら安心です。
レモングラスやゼラニウムなど虫が嫌がるアロマを使います。汗のニオイ対策にも使えて万能。
・精油や基材は高品質なものを選びましょう。
・光毒性のある精油の使用は十分注意してください。(ベルガモット、レモン、グレープフルーツなど)
・使用前には必ずパッチテストを行い、かゆみや赤みなど肌トラブルがあれば使用を中止してください。
・保存料を使わない手作り化粧品は劣化しやすいため、高温多湿を避け、冷暗所(夏場は冷蔵庫)に保管し、早めに使い切ります。
・自分で作った手作りコスメの使用はすべて自己責任です。
8. 掃除・ハウスキーピング
精油の中には、抗菌作用や消臭作用をもつものが多数あり、掃除にも活躍します。
ふわりと心地よい香りに包まれて、お掃除タイムが楽しくなりますよ。
キッチンやゴミ箱、玄関の気になるニオイや、お風呂のカビ対策など、たくさんの使い方ができます。
掃除用スプレー

掃除用スプレーを1本手作りしておけば、拭き掃除や消臭などマルチに使うことができます。
キッチンの汚れにはオレンジ・スイート、カビにはティーツリーの精油がおすすめ。
作り方は以下記事でご紹介しています。
消臭剤(アロマ重曹)
消臭力のある重曹に精油を混ぜれば、からだにも環境にも優しい天然の消臭剤に。
清潔なジャム瓶など口の広い容器に重曹を100g入れ、精油を10滴加えてよく混ぜます。靴箱やトイレなどニオイが気になる場所に置いたり、ゴミ箱に直接ふりかけてもOK。
シンクなどの汚れ落とし(クレンザー)としても活躍しますよ。
掃除機のにおい取りに

気になる掃除機のニオイもアロマで解決。
小さくちぎったティッシュに精油を1〜2滴垂らし、掃除機で吸い込んでからいつも通り掃除機がけをするだけと簡単。
消臭作用のあるレモンやペパーミントの精油を使えば、掃除機の排気も爽やかに。
おわりに
いかがでしたか?
初心者の方は、まずは精油1本から始められる「芳香浴」がおすすめです。
少し慣れてきたら、スプレー作りのようなアロマクラフト、アロマバス、アロママッサージに挑戦してみましょう。精油の効果をより実感できるはずですよ。
